俺のメモランダム

文系大学―(卒業)→専門商社営業ー(退職)→建築系専門学生ー(卒業)→設計事務所勤務という人生を辿っているアラサーのブログ。流し読みで読める軽さを持ちながらも、考え方、情報、良かったモノやコトをうまく発信して見ている人の日常をちょっとだけ豊かにできるのを目指して書いてます。

噺家さんたちの『粋』な物語。 昭和元禄落語心中/雲田はるこ 感想。

全10巻、読破しました。

 

最終10巻は去年の夏に発売だったようで。
完結したてほやほや。

 

 

物語は、刑務所から出所してきた与太郎が、
慰問会で見た八代目有楽亭八雲の落語に魅せられて会いに行くところから始まる。
そこから昭和時代に生きた落語家たちの壮大な話が展開していく。

 

八雲・助六が幼少の頃(戦前?)から、最終的にはスマホが登場する現代まで、
相当な長さで描かれる。

 

登場人物それぞれが長い時間で少しづつ芸を磨き、肩書も上がっていくのだけど、
やっぱ昔から続く名前を襲名するっていうのは
プレッシャーも相当なんだろうなーと、読んでいく中で思ったり。

 

あと人の一生分くらいの時間が作中で経過するので、それぞれの登場人物の人生を
まるごと眺められるというか。そこがすごいと思った。

 

たった10巻とは思えない壮大さw

 


あとこの漫画読んで思ったのが、とにかく『粋』だなって事。
粋って言葉って口では説明しにくいけど、この漫画を読み終わると「ああこれが粋ってやつかな」
と感覚で理解できる。
ほんと、江戸の文化も、江戸っ子も素敵。

 

 

ちなみに16年1月~3月に1期、
1年後の17年1月~3月に2期とアニメが放送され、
自分はそれを見て面白いなと思い漫画も借りたのだ。

 

けど、思うに漫画を先に読んだほうが良いかも。

 

アニメを先に見ると、音声だけでは落語の噺の内容をいまいち理解しきなかったりしたのでね。
物語の中で、それぞれの噺と人間模様がすごくうまくリンクするのもこの作品の面白い点だと思うので。

 

もちろん、アニメも関智一さん、山寺宏一さん、石田彰さんの落語シーンがめちゃくちゃうまいので
どこかで必ず見てほしいのだけど(笑)

 

 

ちなみに各巻末のおまけページみたいなところで、
落語の楽しみ方や、都内にある寄席のそれぞれの特徴までわかりやすく解説されているので
作品自体の面白さとも相まって、落語に興味が出ること間違いなし。

 

自分も正直、落語ってなんとなく興味はあったものの古典芸能で敷居が高そう・・・
って最初は思ってたんだけど。印象変わった。

 

今度、寄席に足運んでみようかなと思うくらいの勢い(笑)

 


とにかくぜひ読んでみてください。

蛇足:作中でいろんな噺が出てきたけど、私は『芝浜』という噺が一番好きになった。