不思議体験をぜひ。若さあふれるジャズ漫画。 BLUE GIANT/石塚真一 感想。
漫画から音が聞こえるといったら信じますか?
私は信じてないし、実際聞こえるわけがない。
けどね、聞こえた!(笑)
というか、この漫画の持つ熱量が凄いので、
聞こえないはずの音が鮮明にイメージできたというのが正しいかな。
これは、ジャズが大好きで、テナーサックスが大好きな仙台の高校生、宮本大と、周りの人々を描いた作品である。
全10巻。
この作品を読んで感じたのは、とにかく元気づけられるということ。
自分には才能がないとか思って落ち込む人は多いと思うけど、
それって当たり前なんだなと。最初っから天才みたいな人はいないんだなと。
なんか、世に言う『すごい人』が生まれるまでの種明かしがこの漫画に描いてある感じ。
あと、楽器が一気にうまくなるとかそういう現実離れした展開はなくて、
地道に練習して、誰かが見てくれて、人と人の縁がじわじわと広がっていって、
色んなことが起きつつ、打ちのめされつつだんだん成長していくっていう、リアルな感じで好き。
『好きこそ物の上手なれ』ってほんとこの主人公みたいな人のことを言うんだろうなって思った。
周りの人々も荒っぽかったり、無骨だったり、口悪かったり、喧嘩腰だったりするんだけど、
実は根が優しい、そんな魅力的なキャラクターが多いのも好き。
ほんと、宮本大を取り囲む大人たちにかっこいい人が多い。
ジャズってイメージでしか知らないけど、そんな自分ですらものすごくインスピレーションが
広がって、音が聞こえちゃったという(笑)、すごい作品。
今、『ブルージャイアント シュプリーム』という名前で続編が連載中なので、
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