俺のメモランダム

文系大学―(卒業)→専門商社営業ー(退職)→建築系専門学生ー(卒業)→設計事務所勤務という人生を辿っているアラサーのブログ。流し読みで読める軽さを持ちながらも、考え方、情報、良かったモノやコトをうまく発信して見ている人の日常をちょっとだけ豊かにできるのを目指して書いてます。

富士山のふもとで現場の仕事を体験。(後編)

【3日目(11/29(水))】

 

本日は鉄筋の配筋&圧接。
AMが鉄筋。例によってガイダンスを聞き、その後、屋内の作業場へ。

 

 

最初はコンクリの床に1本、線が引いてあるだけ。

 

 

その状態から、配筋を組んでいく。
まずは2人がかりでチョークラインという道具を使い、
チョークを付けた糸をはじきながら基準となる直線を引いていく。
(これを墨出しという)

 

 

墨出しの後、鉄筋の必要箇所も採寸しチョークで目印をつけ、基準線をつけた床に設置。

 

並べたら、鉄筋同士を結束線(針金)を使って結束。
結束には専用の工具を使うのだけど、
小学生の頃、靴紐すら結べなかったド不器用な私にはこれがなかなかうまくできず(笑)
悪戦苦闘してたら変なとこに力が入って、どっかの筋を痛めましたw

 


昔、職人さんがものすごい速さでクルクル回してるとこを見たことあるけど、
簡単そうに見えて相当練習してるんだなぁと。

 


床の鉄筋組みが終了すると、
今度は梁を組む時に使われる部材と木の型枠を組んで、
コンクリートを流す前準備の部分を一通りこなした。

 


さすがに今回はコンクリ打設しないので、
ペンチで結束線を切って、部材など元通りにして、現場をきれいにして終了。

 

 

 


で、午後からは圧接。
接合後のサンプルを見せてもらったり、圧接の仕組みについて座学を受けた。

 

そのあと、一人づつ実践。

 

ちなみに、圧接を行う前に、私は溶断(熱をかけて切る方)もやらせてもらった。

 


手持ちの機器のバルブで酸素やアセチレンガスの量を調整して炎を整え、
溶けてきたら材と材を押し付ける圧力を操作する手元スイッチを押したりと
結構操作が多くて、覚えるのが大変だった。

 


また、機械を操作しつつも、手元も動かさなきゃならない。
あまり動かしすぎるとうまい具合に溶けてかないし、かと思えば溶け始めてからは
逆に左右に振って溶かす範囲を大きくしなきゃならなかったりと、難しかった。

 


で。全員が終わって、圧接した材料の熱が飛んだら、
各自が自分で圧接した材料に非破壊検査という、液体を塗ってからセンサーで内部の強度を調べる検査を実施。
プロの先生に補助されながらやったからか、全数、結果は良好だった。

 

けど、それだと勉強にならないから、あえて溶断面を研磨せずザラザラの状態で溶接したサンプルを作っていて、
それはちゃんとNGが出た。

 


また、破壊検査という、実際に機器で固定した状態で曲げの力を加えて、曲げる試験も行った。
こちらは実際に力を加える分、正確な結果が得られるけれど、肝心の材料は使えなくなってしまうので、
今は『非』破壊検査が主流とのこと。

 

面白かったのは、圧接後に水に漬けて急冷したものは脆くって、ポッキリ折れたこと。
扇風機で自然に冷ましたものは、直角になっても折れなかったからね。

 

あと、溶断面がザラザラな状態で圧接したものもポッキリ折れた。
これにより、非破壊検査って信頼高いんだなっていうのと、
溶接面がしっかり研磨された物を使うことの重要性がわかった。

 

ちなみにこの日は快晴!
(屋内作業だったけどね・・・)

 

休憩中にみんなで見た富士山は忘れないだろう・・・

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【4日目(12/1(金))】


この日は仮設足場を組む。

 

まずは、学科の授業にてプリントに書いてある作業手順を一通りさらい、
なぜ順番を間違うと危険なのかのレクチャーがあった。

 

その後、21人の班を5人ないし6人1の計4グループに分け、
外に出て道具の準備。

 

数量を確認しつつ、部材を準備したのだが、物によっては結構重い。
型枠という部材なんかは、1度に3つ運んだら腰いきそうになった。
(職人さんはこれを一度に5つ運んだりするらしい)

 

悔しかったので今後の筋トレへのモチベーションになったw

 

部材は、下に手を入れて持ち上げやすくするのと、材料が汚れたりしないようにするため、
地面に並べた木の棒の上に置く。

 

ちなみにこの木の棒を準備する段取りが悪く、『全員集合ーーッ!』と号令がかかって、叱られた。
お?なんかこの感じ、中学高校の部活で顧問の先生に怒られてる時を思い出す・・・とか変な事を考えていたw

 


午前中は、1層目。
組み始める位置など、1層目は上層よりもやることが少し多い。

 


午後は2層目以降。
部材は中間層でバケツリレーしながら運びあげるので組めば組むほど大変になる。
下には司令塔、上には取り付け役&締結役。
見事なチームプレー・・・ッ!

 


2層目以降になると、高所となるので安全帯の付け方について厳しい言葉が飛ぶ。

 

 

自分達が使ったのは、二丁掛という、フックが2つあるもので、1つは必ずつけておく必要がある。
一瞬でもついてない状態になったらダメ。

 

 

また、つけていい場所は親綱(安全帯を掛けるために張ったロープ)とその他指定された場所のみであり、
そこ以外に付けると指摘が入る。
親綱も、同時に付けていい人数が決まっている。

 

 

にしても、間違えた瞬間に怒られるもんだから、ほんと教官たちはすごいw

 

 

でも実際は転落事故って多いし、命がかかるから、ここは絶対怠ってはいけない点。
徹底しました。

 


午後3時過ぎ。
私達の班は、見事、時間内に4層目まで組み切る事ができた!!
(解体の時間を考慮するため、完成してなくても強制的に組み上げは終了させられるのです)

 

純粋に、達成感がすごい。久しぶりの感覚。

班のみんなで喜べて、最高だった。

 

 

そして、急速に気温が下がる中、解体作業。
個人的には組むより怖かった。
今まで、組むほどに安全になっていった足場が、逆にだんだん不安定になっていく。
柵や手すりもなくなっていくし、安全帯を付けられる場所も減ってくる。

 

 

部材が下にいる人に当たったら大事なので、そのプレッシャーからか、下で運んでいた時より部材が重く感じる。
加えて、安全帯のロープに引っかかったり、それを外そうとして変な場所に力が入って筋が痛くなったり・・・。
最後は身体に力が入らず、片付けるのだけでも本当に大変だった・・・
職人さんってすごいわ。

 

この日はめっちゃよく眠れましたw

 

ちなみに作業中はこんな感じ。

 

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【まとめ】

 

・・・とまぁ、一通りこなし、無事に研修の修了証をいただくことができた。

 

最終日には道の駅にも寄って抹茶アイスやら買えたしw(写真参照)、
満足満足。

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この研修、最初はあまり行きたくなかった。
寒いというのは聞いていたし、
実際の仕事は設計がメインだし、
研修の分、学科の授業を増やしてくれよ、くらいに思っていたけど、

 

机の上では絶対に得られないことが山盛りだった。
知ってる、ていうのと、やったことがある、ていうのとではホントに全然違うんだなと。

 

 

将来、この経験がどこまで活かせるかはわからないけど。
最初に書いた通り、来てよかった、と思えたのでした。