俺のメモランダム

文系大学―(卒業)→専門商社営業ー(退職)→建築系専門学生ー(卒業)→設計事務所勤務という人生を辿っているアラサーのブログ。流し読みで読める軽さを持ちながらも、考え方、情報、良かったモノやコトをうまく発信して見ている人の日常をちょっとだけ豊かにできるのを目指して書いてます。

RC造3階建てコミュニティ施設の課題(RC造の特徴について)

また課題について載せていきたいと思う。

今回取り組んだRC造というのは、Reinforced Concreteの略で、
鉄筋コンクリート造、という意味。
鉄筋の周りに型枠を組んで、コンクリートを流して固めることで躯体を作っている。

初回はこの特徴について、自分自身の復習も兼ねて書きます。

 


【1】『鉄筋』と『コンクリート』の相乗効果
【2】二つの方式
【3】S造(鉄骨造)との比較

 

 

【1】『鉄筋』と『コンクリート』の相乗効果

 

そもそもなぜRC造がこんなにも使われるのか。
それはこの2つの部材の組み合わせというのが、奇跡のような相性の良さだからだ。
特徴を3つ取り上げて説明しようと思う。

 


1.熱による伸び率が一緒
2.錆に強い
3.引張にも圧縮にも強い

 


1.熱による伸び率が一緒

 

偶然にも一緒であり、この性質があるので成立している。
仮に温度による伸び率が違かったら、鉄筋が飛び出したり、
コンクリが割れたりと阿鼻叫喚となってしまうよね。

 


2.錆に強い

 

鉄筋は鉄だから、錆びる。
そして錆びるのは、酸が原因。

対してコンクリートアルカリ性
アルカリ性のコンクリで覆われることによって中の鉄筋は長期間錆びなくなる。

 


3.引張にも圧縮にも強い

 

建物の構造計算をする上で、圧縮力と引張力を考える。
これはあらゆる場面でかかってくる力。
例えば地震で左右に揺らされると、材料の片側は伸びて(引張力がかかる)、
もう片側は縮む(圧縮力がかかる)。

 

人間でいうと、体操で体を横に曲げると、一方がストレッチされて、
もう一方の脇腹は縮まる。あんな状態。

 

材料の性質として、
コンクリートは圧縮に強く引張に弱く、
逆に鉄筋は引張に強く圧縮に弱い。

 

つまりお互いの欠点を長所で補いあっている。

 

仮にコンクリートのみの建物だと引っ張られた時に折れてしまうし、
鉄筋だけだと圧がかかった時にグニャッといってしまうということ。
まぁ鉄筋だけの建物なんてありえないけどね・・・

 

 

【2】2つの方式

 

●ラーメン構造
鉄筋コンクリートで柱と梁を組み合わせて骨組みを作り、
そのうえに床や壁を作っていく方法。
今回の課題もコチラ。柱の位置と、それに掛け渡される梁を考慮して
空間を作っていく必要があるので教育上の都合もよい(笑)

 


●壁式構造
壁が骨組みになる。
なのでラーメン構造に比べて建物形状の自由度が高い。

 

じゃあこっちでいいじゃんと思うかもしれないが、
壁を鉄筋コンクリートでガッチリ作ってしまうわけなので、
リフォーム等で間仕切りを変えたりは難しいというデメリットもある。

 

設計課題で採用すると、なんでもありになってしまい、教育上都合が悪いという
大人の事情もあり採用されず(笑)

 


【3】S造(鉄骨造)との比較

 

デメリット

 

●工期が長い
鉄骨は工場で作ったものを現場で一気に組み上げるが、
コンクリは一度に打設できる量に限界があるし、
固まるまでの養生期間も必要。

 

●大空間が作りにくい
鉄骨に比べると柱の間隔は長く取れない。
また柱自体も太いので、ゴツイ感じとなってしまう。

 


メリット

 

●火や熱に強い
鉄骨も燃えないので火に強いと思われがちだけれど、
実は火災で高温状態になると上がると強度が著しく落ちる。
その点は鉄筋コンクリートのほうが良い。

 


次回から成果物を載せていきます。
今回は約2か月という短期間だったのですぐ終わってしまうかもだけどねぇ(笑)