俺のメモランダム

文系大学―(卒業)→専門商社営業ー(退職)→建築系専門学生ー(卒業)→設計事務所勤務という人生を辿っているアラサーのブログ。流し読みで読める軽さを持ちながらも、考え方、情報、良かったモノやコトをうまく発信して見ている人の日常をちょっとだけ豊かにできるのを目指して書いてます。

イチ建築屋として、引渡時に感じるモヤモヤ。その原因と対策について考えてみた

今回タイトルつけるの難しくて、そのまま長く書きました(笑)

 

建築士は生活のデザインをしている』どこかでこんな文章を見た。
うんうん、確かにそのとおり。


だがその『生活』を確認することはできない。
なぜならそれが始まるのは引き渡し後だからだ。


引き渡しを境に、作った家は他人の家となる。
もちろん、勝手に入ってはいけない。


はたして施主はこの家で、満足した『生活』を送れるんだろうか。
それを確認するすべがない。


採光・間取り・造作・設備・仕上・・・すべて妥協せず、
いい家になったと言い聞かせども、どうしても引渡の時の
がらんどうの状態は寂しく、不安になる。

 

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収納の中はどんな感じに物が入ったんだろうか。


コンパクトなLDK、実際狭くないだろうか。


インナーバルコニーではBBQしてるのだろうか。
立水栓もあるけど、プール出してるのだろうか。
寒い時期どうしてるのだろうか。


外とつながりを作った大窓、奥さんは満足しただろうか。
万年カーテンになってないだろうか。


ペットの猫はどう過ごしてるのだろうか。
壁沿いの造作キャットウォーク、使って移動してくれてるだろうか。


中庭はどうなったのだろうか。
ご主人はほんとに風呂出た後、一服してるだろうか。


レーニングルームの黒板には、何が書かれてるんだろうか。
どんな器具が置かれて、どのくらいの頻度で使ってるのだろうか。


たくさん作ったニッチは、どんなテーマで、何が飾られたのだろうか。
季節ごとにマメに入れ変わってるのだろうか。


見せる収納、どんな食器が並んでるのだろうか。
意外と収納ボックスが立ち並んでたりするだろうか。


勝手口のシャワー、使ってるのだろうか。
泥だらけの息子さん問題は解決してるだろうか。


屋上は使ってるんだろうか。
日向ぼっこしてるんだろうか。


5才の娘さんは2階のホールから吹き抜け越しに、
キッチンにいるママに声掛けてるんだろうか。料理に興味を持ったのだろうか。


高1の息子さん。自分の部屋、
黒系のクロス、黒系の床材、1面石目タイルのアクセント壁だが
どうコーディネートしたんだろうか。

 

e.t.c

 

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こういう事に答えられれば、
少しは不安はなくなりそうなのに。
今後の仕事にもっと反映できそうなのに。


設計段階で描いた『生活』と、
リアルな『生活』の答え合わせがしたい。

 

春夏秋冬、1週間くらい居候して、
暮らしぶりを観察したいくらいだ(笑)

 

あー、施主と友達になって、引渡後も定期的に宅飲みに行く、
そんな事務所は日本の、いや世界のどこかにあるんだろうか。


そんなところがあったらぜひ就職したいね。

 

 


・・・あ、自分がそれを立ち上げればいいのか!
無理かなぁ~。みんな無理って言いそうだな~。


でもそんな風になるといいなぁ~。