5/1(日)後半 安藤忠雄氏の建築めぐり。まだまだある、回れなかった直島のアートたち。
- 1 The Naoshima Plan 「水」
- 2 南寺
- 3 安藤美術館
- 4 パンフレットに載らないアート
- 5 李宇煥(り・うふぁん)美術館
- 6 ベネッセハウスミュージアム
- 7 ベネッセ付近の散歩
- 8 お風呂
- 9 夜ごはん
- 10 また来たい、直島!
1 The Naoshima Plan 「水」
ここは家プロジェクトチケットでなくても入れる。
(にしてもルールというか、違いがよくわからん)
豊富な井戸水をそのまま流して、水盤を作り出している。
白い砂と、そこに浮かぶ島がミニチュアのように美しい。
ここに限らず、直島のアートって水盤を使ったものが多かったな。
そういうインスピレーションが生まれるのだろうか。
水盤って波は立たないから、なんか瀬戸内海と通ずるものがあるのかも。
建築目線でいうと、敷地全体が竹の砂壁下地でゆるく区切られているのが好き。
すき間があるから、よどんでないというか、風は通るんだよね。
内と外の境界のつなぎ方って、建築やってる人間の中では
重要なテーマだと思うんだけどそれの一つの答えだと思った。
2 南寺
家プロジェクトの1つなんだけど、
大人気のため時間指定で予約し、入場するタイプ。
共通チケット購入と同時(10時頃)に予約して、なんと取れたのが14:15(笑)
中は驚くほどまっくら。壁に手を伝って進んでいき、ベンチに座る。
といってもベンチもまったく見えないから座るのが怖い。
座ったら5分ほど待機。目を開けてるのに何も見えないってのが
結構精神に来て、思わず目をつぶりたくなる。怖い。
と思っていると前方に、徐々に映画のスクリーンのような形状の四角形が浮かび上がってくる。
これは目の錯覚ではなく、最初から弱ーい間接照明があるという仕掛けで、
人間の目が慣れてきて、ギリギリ見えてくるというもの。
目の錯覚かと思うような弱弱しい光明に手を伸ばして歩いていく。
見えるような見えないような感じ。怖い。
壁に到着する頃にはかなり目が慣れてきて、
なんとなく周囲の状況がわかるようになる。人間スゴイ。
都会だと一見、街灯がない場所でも、周囲の街灯の
反射がそこら中にあるから、本当の意味での暗闇ではないよね。
ここは本当の暗闇。
まぁ安全なのはわかってるからいいんだけど、
昔の人って、夜はほんとに怖かったんだろうなぁ。
夜目が聞く獣とかに襲われる恐怖とかすごく感じたんだろうな。
超オススメだけど、暗所恐怖症の人はやめといたほうがいいかも。
(係員さんも一緒に入ってくれるから、伝えれば大丈夫だけど)
3 安藤美術館
南寺のすぐ近くにある。
見た目は普通のりっぱな昔の家だが、
中には縦横無尽にコンクリートの構造物が!
黒い軸組みと白いコンクリート、対照的だけど
不思議な調和を見せている。
館内はレベル差がつけられておりかなり立体的で
床面積以上の広さを感じる。
展示としては、直島のアート作品の企画段階のスケッチなどが並び
まだコンセプトの段階での安藤先生を想像しながら見ると楽しい。
にしても本当にスケッチの用紙が統一されていない。
そこら辺に見つけた紙にアイデアを記して残した、
みたいな雰囲気というかライブ感というか、そういうのが伝わってくる。
有名な『光の教会』の模型もある。
触れるのNGだからわからないけど、たぶん実際にコンクリートで作ってる。
地下室まである。
基本的に、平行に走る壁がないのと、
そこいらに縦長・横長のスリットが入れてあったりして、
キチっとしすぎてないというか、遊びを感じる空間でとても楽しい。
4 パンフレットに載らないアート
これはたぶん個人宅だと思うんだけど、塀や外壁にアートが。
近づいてみると・・・BB弾?懐かしい。
貝殻も使われてた。
露出配管の周りを彩ったり、黒電話を設置して周りを
電話ボックスにしたり。全体的にかわいらしさを感じた。
瀬戸内国際芸術祭とか、
家プロジェクトとか、大きなプロジェクトに参加して作られたアートもいいけど、
個人が行うアートもすばらしいよね。
本当の意味で自主的に直島の街づくりに参加されてるというか。
こういうのはなかなかパンフレットや情報誌には載ってこないけど、
見つけることができてよかったと思えた。
5 李宇煥(り・うふぁん)美術館
本村からバスでつつじ荘まで行く。このあたりがベネッセハウスを中心とした別エリア。
そこからは町営バスでなく、無料シャトルバスに切り替わる。
しばらく乗ると到着。
彼の現代アートは『つくらない』ことを意識されているそうで、
その器としての美術館は安藤忠雄の設計。
石や金属の配置の妙、というか、そういうものを展示するわけなので
建築も込みでのアートとなるんだなと感じた。
安藤さん、地中美術館もそうだけど、
直島の自然を邪魔しないように考えたそうだ。
外には海に向かって象徴的なモニュメントが。
※館内は撮影禁止のため写真無し
6 ベネッセハウスミュージアム
ここは宿泊者は無料で入場可能。
コンクリートから生える草だったり、
床に並べられた流木の円だったり、
まるごと作品じゃないかって感じの部屋があったり
ホテルとしての利用もされつつ、
美術館として、アートがさりげなくある、
みたいな雰囲気なのが印象に残ってる。
特に記憶に残ってるのが、世界の国旗をつなげて、
そこに各国のアリを放って、数年かけてアリがどのように
移動し巣を広げていくかみたいな作品。
国境は一本のチューブになっていて、
アリは好き勝手に移動する。
生物には国境なんて関係ない、と
ポジティブなメッセージとして捉える人もいれば、
侵略しているように見えると捉える人もいるんだろうなと
いろんな見方ができる作品。
時々、上部まで砂が積もっていないマーブル模様の部分もあるんだけど、
ここは穴を掘ったアリが砂を捨ててこうなってるんだって!
面白い!というか模様が美しい。
7 ベネッセ付近の散歩
この付近にも作品はたくさんある。
ベネッセハウス ビーチ、パーク、テラスレストランのあるあたりは
広場になっていて、カラフルな置物みたいな動物の作品がたくさん。
ねこ。
ラクダ。
これは上が猫で、下がカエルらしい。
どういう状況?(笑)
さらにつつじ荘バス停のほうに行くと、
草間彌生さんの黄色かぼちゃ・・・があった場所。
先の台風でどんぶらこし、概念となったかぼちゃを見ることができる。
基礎部分と、その回りにかぼちゃのフチの部分の模様が残っていた。
これはこれで作品だとすら思えた。
近くの係員のおじさんが私を見ていたらしく
『ごめんな。かぼちゃ無いんや』って話しかけられて、
知ってました!って答えたら
『いつ帰ってくるんやろな』って言っててなんか面白かった。
バス停付近で海を見ながら時間をつぶす。
すごく低い鳥居があって、低いから石とかまつぼっくりとかその辺のものがたくさんのせられていた。
海をバックに接写で撮ったらいい写真が取れた。
8 お風呂
ゲストハウスのある宮浦港へ戻り、
銭湯『アイラブ湯』へ。
大石信朗氏のデザイン。
ファサードは廃墟感もあり、かなりカオスな感じ。
ちなみに上に乗ってる倉庫みたいなのは単なる飾りだそうです(笑)
番台があり、男湯・女湯が中で壁で仕切られている
昔ながらの銭湯タイプ。
仕切りの壁のうえになぜか象の置物が鎮座。
ここも有名スポットかつ、唯一の銭湯なので、
20分くらい外で待ったが、いい湯だった。
出てきた子供に、係員のおじさんが
中におっきいゾウさんいた?とか話しかけてて
それほぼ下ネタなんよ、って思った。
でもベースの白いタイルをはじめ、湯舟の中も
タイルを使ったアートになっていたり、上部がステンドグラスだったり
作家が思う銭湯のあり方を感じられる空間だった。
中の写真見たい方は↓のベネッセアートサイト直島のHPをどうぞ。
直島銭湯「I♥湯」 | アート・建築をみる | ベネッセアートサイト直島
9 夜ごはん
宮浦周辺で探した。直島はキャパが小さく、
ほとんどのお店が『なくなったら終了』なので
GWなど、混雑する時期は早めに探したほうがいい。
今回は8時頃だったが、すでにほとんどのお店がクローズ。
だが港から少し離れた『Cin.na.mon.』というお店がまだやってたので、
海鮮カレーを食べた。具がごろっとしてて美味しかった。
(写真撮り忘れてしまったので↑に食べログのリンクつけときます、どーぞ)
10 また来たい、直島!
カレー屋、実はゲストハウスの近くなので、パパっと戻って就寝。
明日は朝から小豆島に行く予定なので、直島はこれで終了。
かなり書くことはあったが、まだまだ見どころはたくさん。
・地中美術館/安藤忠雄設計
・ヴァレーギャラリー/安藤忠雄設計
・ギャラリー 時の回廊/杉本博司
・ベネッセハウスに泊まる
・家プロジェクト『石橋』/建築家・千住博の作品
・海釣り公園
などなどね。
また日々に疲れたら、感性を蘇らせにこの島に行こうと思った。