俺のメモランダム

文系大学―(卒業)→専門商社営業ー(退職)→建築系専門学生ー(卒業)→設計事務所勤務という人生を辿っているアラサーのブログ。流し読みで読める軽さを持ちながらも、考え方、情報、良かったモノやコトをうまく発信して見ている人の日常をちょっとだけ豊かにできるのを目指して書いてます。

コンビニ人間/村田沙耶香 感想。【微妙にネタバレあり】

f:id:yutastation:20190103182850j:plain

2016年芥川賞受賞作品。
めちゃ面白かった。

 

18年の長きにわたってコンビニでアルバイトをしている、
ちょっと変わり者な女性の物語。


なにしろ作者自身が去年末まで実際にコンビニで働き続けてたみたいで、
説得力が違う。

 

自分も短いけどコンビニでアルバイトしたことがあり、
『コンビニ店員あるある』みたいな表現がすごく共感できた。
てか作者さん、アルバイターとしてだいぶレベル高い気がするw

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

面白かったのは途中で出てくる白羽さんってのと
主人公との関係性かなぁ。最先端な感じ(笑)

 

主人公はある意味ロボットみたいで、
対して白羽さんはクズだけどある意味すごく人間的で、
そんな2人の絡みが楽しい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あと本筋とはあまり関係ないかもだけど、
『しゃべり方は周りの人達の物が色々混ざって感染していってる』
みたいな表現とか、
鋭いな!って思わされることが何度もあった。

 


ほか表現関係でいうと、
物語ってリアルな描写のために五感表現が用いるけど、

 

この作品では暑さ寒さとか、気温とか天気が、
その日の商品の売れ行きを判断する『情報』としてしか表現されてない!

 

さすが主人公、コンビニ人間・・・

 

これは解説見て気づかされて、ビビった。天才かよ。
てか解説面白かった。中村文則さんグッジョブ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

面白かったので読み終わってからちょっと調べてみたら、
海外向けに20か国語くらいに翻訳されてることがわかった。
けど意外にも海外ではあまり評価は高くないようで
(低くもないんだけど☆4や3が大多数、って感じらしい)、

 

外国人読者からしたら日本社会は外から見るわけだから、
感想としてはクレイジーな主人公の話だとか、
単なる喜劇みたいになっちゃってるのかもなあ、なんて思った。

 

でも、自分は29歳だけど、同い年~上くらいの日本人なら
この小説から変な狂気みたいのを感じられると思う。

 

同調圧力
『「普通」の押し付け』

 

そんな事について考えさせられた。

 

あと、レビューには『プロットが少なくて退屈』みたいなのもあったけど、
変化が少ない日常を送る主人公だからこそ、
読んでて作中でのちょっとした出来事や変化でも面白く思えるんじゃないかなーと個人的には思った。

 

みんな2時間くらいで読めちゃうのでぜひ読んでみてほしほし。